賃金は労働条件の要となる部分です。事業の経営担当者は人件費をいかに抑えるかが手腕として評価の対象になります。他方労働者にしてみると賃金が多ければモチベーションのアップにつながっていきます。将来的にはAIロボットやIot、ICT技術の進歩により、これまで行ってきた人による労働を代替して人件費を削減できる可能性があります。しかし事業の維持発展のためには、イノベーションが必要であり、イノベーティブ、クリエーティブな発想ができる人材が必要不可欠です。こういった点及び労働市場の動向を考慮して、経営の視点からは人件費の最適化と良質な労働者の確保のための賃金の最適化の双方を満足する必要があります。

日本の企業で毎月支払われる賃金は、大きく基本給とその他の手当からなります。基本給の決め方については、労働者の職務遂行能力を基準として決める能力給、労働者が担当している職務の難易度や責任の程度に応じて決める職務給、労働者の従事する職種を基準に決める職種給、労働者の生活費を基準に決める生活給(年齢給)などがあります。
また職能給の場合であっても、労働者の職務や職種に応じて、役職手当や営業手当といった手当や、勤務態度や成績に応じて、皆勤手当や歩合給といった手当を支給している企業も多くあります。
生活給を採用していない企業でも、家族手当や住宅手当といった労働者の被扶養者や居住状況に着目した手当を支給している例が多くあります。

賃金は労働条件の要となる部分ですから、労働基準法を始めとする法律で、いくつかの最低基準が設けられています。直接的には賃金の支払方法、支払期日、最低保障に関してです。また、休業手当や解雇予告手当等平均賃金を計算する必要が生じたときに、その計算方法について法令で定めがあります。同様に、残業手当や深夜手当、休日手当等割増手当の支払いの必要が生じたときの、計算の対象となる賃金や、計算方法についても法令で定めがあります。

また、広義には、会社の就業規則等に賞与や退職金の支給について規定している場合、これらも賃金に該当します。そうであれば、賞与や退職金について、理由なく支払いがないときは、賃金不払いとして労基署の調査の対象となってきます。

そこでここでは、以下に賃金について、賃金体系、賃金形態(賞与・退職金を含む)、労働基準法等法律の最低基準、同一労働同一賃金(均衡均等待遇)といった事項を説明していきます。

賃金体系

賃金体系とは毎月支払われるいわゆる給与の構成・項目です。日本の多くの企業では、賃金の構成要素として、基本給を柱として、これに職務(役職)や職種や業績などに応じて支払われる手当(これらは原則として時間外手当等割増手当の計算の基礎となります。)、労働者が扶養する家族や居住費や労働者の通勤費等を負担する手当(これらは原則として時間外手当等割増手当の計算の基礎となりません。)などの手当が支払われています。
この他に労基法で定める基準に従い、時間外労働に対する残業手当、深夜労働に対する深夜手当、休日労働に対する休日手当といった各割増手当の支払いがあります。

 

賃金形態

労基法上の最低基準

同一労働同一賃金(均衡均等待遇)

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