使用者は労働条件について、女性(又は男性)であることを理由として男性(又は女性)と差別的取り扱いをすることが、労働基準法及び男女雇用機会均等法により禁止されています。
男女の均等な機会及び待遇の確保についてはこちらをご覧ください>>>男女雇用機会均等法

しかし妊産婦については、母性保護の観点から、就業制限や、就労させることができる業務等に制限があります。妊産婦とは、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性のことです。

坑内業務の就業制限

使用者は、妊娠中の女性、及び産後1年を経過しない女性で坑内業務に従事しないことを申し出た女性を坑内業務に就かせてはいけません。坑内業務とは、鉱物資源の産出等の直接的業務はもとより、坑内の機械に油を差すために1週回に1回、時間にして10分程度といった間接的業務であっても、坑内業務に含まれます。

坑内業務の就業制限は、使用者は、18歳未満の年少者についても坑内業務に就かせてはならないことになっています(詳しくはこちら>>>年少者)。

労働基準法上の坑内の「」とは、地下にある鉱物を試掘又は採掘する場所及び地表に出ることなしにこの場所に達するために作られる地下通路のことです。地下通路がたまたま地表に貫通していたり、地勢の関係上部分的に地表に現れていた場合であっても、行動と同様の安全衛生が保障されかつ一般人が通行できない場合には、ここでいう坑内となります。

建設中のずい道(トンネル)が抗に該当するか否かについても、上述の坑の解釈に準じて判断します。

危険有害業務の就業制限

使用者は、妊産婦(=妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性)を重量物を取り扱う業務や、有害ガスを発散する場所での業務、その他妊産婦の妊娠・出産・哺育等に有害な業務に就かせてはなりません。また、業務の内容によっては、妊産婦でなくとも女性の妊娠や出産に係る機能について有害であることもあります。そこで、妊産婦のみならず、すべての女性について就業させることが禁止されている業務が厚生労働省で定められています。

禁止されている業務の範囲や就業させてはならない女性労働者の範囲は以下の表のとおりです。

 

(出所:厚生労働省リーフレット)

産前産後休業

使用者は、産前6週間(多胎妊娠の場合は産前14週間)の女性が請求した場合、その女性を就業させてはいけません。ここでいう産前には出産予定日を含みます。

また、使用者は、産後8週間の女性を就業させてはいけません。但し産後6週間を経過した女性が就業を希望する場合で、医師が、支障がないと認めた業務に就かせることは差し支えありません。

使用者は、産前産後休業中の女性に対して、賃金を支払う義務を負いません。

なお、健康保険の被保険者である女性については、産前産後休業中に賃金の支払がなかった場合、出産手当金の支給を全国健康保険協会等の保険者に申請することにより、平均標準報酬日額の3分の2が保険者から支給されます。

妊産婦の法定時間外労働等の制限

  1. 使用者は、妊産婦が請求した場合、変形労働時間制による労働であっても、1週40時間及び1日8時間の法定労働時間を超えて労働させてはいけません。
  2. 使用者は、妊産婦が請求した場合、法定時間外労働及び休日労働をさせてはいけません。
  3. 使用者は、妊産婦が請求した場合、深夜労働(午後10時から翌朝午前5時までの間の労働)をさせてはいけません。

上記1ないし3については、妊産婦が請求した範囲の労働が制限されるもので、妊産婦が請求しない範囲については制限がありません。例えば、妊産婦が法定時間外労働について1時間以内であれば法定時間外労働に応じられるというのであれば、使用者は、妊産婦が認める1時間以内の範囲で法定時間外労働(残業)を命じることができます。

育児時間

生後満1年に達しない子を育てる女性が請求したときは、使用者はその女性に対して、休憩時間の他に、1日2回各々少なくとも30分の育児時間を与えなければなりません。なお、ここでいう子とは、女性が出産した実の子であるか否かを問わないと解されています。

なお現在は、育児・介護休業法により、女性労働者が使用者に育児休業を申し出た場合、子が満1歳に達するまで(場合によっては最長で子が満2歳に達するまで)、使用者はその女性労働者に育児休業を与えなければなりません。

育児休業について詳しくはこちらをご覧ください>>>育児・介護休業

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