労働契約の内容である労働条件は労働基準法等法律に定められている最低基準を下回ってはいけません。労働条件の最低基準とは、例えば、年次有給休暇に関して、労働基準法では、使用者は、週5日勤務で採用した労働者については、その労働者が採用後6ヶ月間に所定労働日の8割以上出勤した場合、10日の年次有給休暇を、労働者が請求した時季に付与しなければならないことを定めています。これを労使間の個別の契約で年次有給休暇については5日を上限とするといった労働条件を設けることは許されません。この場合の年次有給休暇の最低基準は10日でありこれが下限となります。労働条件は保険契約の約款のように、基本的には事業主が自由に設定できます。しかし、労働者保護の観点から、労働条件には法律により多くの最低基準つまり下限が設けられています。特に労働基準法で定める最低基準を下回る労働条件は、その下回る部分が強制的に無効となり、無効となった部分は労働基準法で定める最低基準にまで引き上げられます。労働基準監督署等の行政機関は、事業場ごとにそこで働く労働者に対する労働条件が法律で定める最低基準を下回っていないか常に目を光らせています。
労働条件の最低基準は、概ね次の目次に掲げる事項について法律で定めがあります。

労働条件管理

適用労働者と適用事業

労働基準法では、適用対象となる労働者と、事業所について規定しています。
労働基準法の適用対象となる労働者は、①職業の種類を問わず、②事業又は事務所に使用され、③賃金を支払われる者をいいます(労働基準法第9条)
事業又は事務所とは、営利目的の有無を問わず業として継続的に行われるものであり、事業の単位は場所的観念を原則とします。

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労働契約締結

使用者が労働者と労働契約を締結して労働者を雇入れるときは、労働契約締結時に、賃金、労働時間、その他の労働条件について、これらを明示した書面を労働者に交付しなければなりません。

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解雇・退職

使用者が労働者を解雇する場合、①労働基準法上の解雇に係る手続き、②労働契約法上の解雇権濫用法理に照らした解雇の効力、以上の2点につき注意を払う必要があります。
労働基準法上は解雇日の30日以上前までに解雇の予告をするか、予告をしない場合は、解雇予告手当の支払いが必要になります。ただし、①労働者の責めに帰すべき事由により当該労働者を解雇する場合、②天災事変等使用者の不可抗力により事業の継続が困難となり.労働者を解雇する場合、以上の場合で事業所を管轄する労働基準監督署長の解雇予告除外認定を受けた場合には解雇予告の必要はありません。
労働契約法第16条では「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であるとは認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と定めています。

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労働時間・休憩・休日・年次有給休暇等

労働基準法では、労働時間の上限を1週40時間(常時10人未満の労働者を使用する商店等特例対象事業に該当する場合は1週44時間)、かつ1日8時間と定めています。休憩については、使用者は労働者に、労働時間が6時間を超える場合には45分以上、労働時間が8時間を超える場合には60分以上の休憩時間を付与しなければなりません。休日に関しては、原則として1週に1日もしくは4週(28日)を通して4日の休日を付与しなければなりません。所定の要件を満たす労働者に対しては、使用者は当該労働者に対して、当該労働者が請求した時季に年次有給休暇を付与する義務を負います。

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賃金(最低賃金)

使用者は労働者に対して、賃金を、毎月1回以上一定の期日に、直接労働者に手渡しするか労働者の指定する銀行口座等に振り込む方法により、支払わなければなりません。
賃金は、最低賃金法により、1時間当たりの賃金単価の最低額が地域ごとに定められています。

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年少者

使用者は原則として、満15歳に達した以降最初の3月31日が終了していない児童を労働者として使用することが原則として禁止されています。ただし、使用者は、事業所を管轄する労働基準監督署長の許可を受けた場合には、修学時間外に限り児童を使用することができます。
使用者は、満18歳未満の年少者を使用する場合には年齢証明書を、児童を使用する場合にはこれに加えて学校長の証明書と親権者等の同意書を、事業所に備え付けておかなければなりません。

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妊産婦

使用者は妊娠中または産後1年を経過しない妊産婦を、重量物の取り扱いや有毒ガスを発散する場所における業務等、女性の妊娠・出産・哺育に有害な業務に従事させてはいけません。また使用者は、産前6週間(多胎妊娠の場合は産前14週間)の女性が使用者に休業を請求したとき、及び産後8週間を経過していない女性を業務に就かせてはいけません。

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就業規則

常時10人以上の労働者を使用している事業場の使用者は、就業規則を作成し、労働者代表等の意見を添えて、管轄する労働基準監督署に届け出なければなりません。
就業規則を作成する場合、
①始業及び就業の時刻、休憩時間、休日、休暇等
②賃金の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切及び支払いの時期並びに昇給に関する事項
③退職に関する事項(解雇を含む)
以上の3つの事項に関しては必ず記載しなければなりません。また、使用者がその他労働条件として定める場合には記載しなければならない事項もあります。
使用者は労働者に、就業規則を、常時作業場の見やすい場所へ備え付けるか、労働者が操作できるパソコンのファイルに保存しておくなどの方法により、労働者に周知させなければなりません。

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帳簿等の作成と保存

使用者は、労働者を採用したときは、労働者名簿を調製して必要な事項を記入しなければなりません。
使用者は、事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金の計算の基礎となる事項(労働時間数や労働日数、時間外労働時間、休日労働時間、深夜労働時間等)や賃金の額等につき、賃金支払いの都度遅滞なく記入しなければなりません。
使用者は、労働者名簿や賃金台帳等を労働者との労働契約が終了した日から3年間保存しなければなりません。

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健康診断

使用者は、常時使用する労働者に対して、1年に1回定期健康診断を実施しなければなりません。
健康診断は、常時使用する労働者を雇入れるときにも実施しなければなりません。
使用者は、労働者を6ヶ月以上海外に派遣するときは、派遣前及び帰国後に健康診断を実施しなければなりません。
使用者は、深夜業や、坑内労働等特定の業務に就かせる労働者に関しては、6ヶ月に1回健康診断を実施しなければなりません。

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有期労働契約

使用者は、労働契約期間を定めて、労働者を雇入れるときは、労働契約締結時に労働者に交付する労働条件通知書に、就業の始期と終了日、契約更新の有無、契約更新する場合があるときはその基準等を明示しなければなりません。
平成25年4月1日以降に有期の労働契約を締結し、これを複数回更新して通算の労働契約期間が5年を超えることとなる労働者が、その5年を超えることとなる労働契約期間中に、使用者に対して契約期間の定めのない無期労働契約を申込んだ(無期転換申込権を行使した)場合は、使用者の承諾を待たずに自動的に期間の定めのない無期労働契約が内定し、その契約期間満了後更新される労働契約は期間の定めのないものとなります(労働契約法第18条)。
有期労働契約の下で働く労働者の職務の内容や配転の有無等について、期間の定めのないいわゆる正社員と同等である場合には、賃金や福利厚生等に関して、契約期間の有無を理由として、労働条件に不合理な差を設けてはいけません

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高年齢労働者

使用者は、労働条件に定年制を設けている場合、労働契約期間の定めのない労働者が60歳に達するときは、①定年制を廃止する、②65歳まで定年を延長する、③60歳定年後再雇用制度を設ける、などの措置を講じることにより、その労働者を、65歳まで雇用する義務を負っています。
60歳定年後再雇用制度を導入する事業の場合、有期特措法に基づく「第二種計画認定変更申請書」を、本店を管轄する労働局に提出して認定を受けることにより、定年後再雇用労働者については、労働契約法第18条に基づく、無期転換申込権が発生しません。

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パートタイム労働者

使用者が、パートやアルバイト等の名称で短時間労働者を採用する場合、文書の交付等による方法で明示する労働条件に、①昇給の有無、②退職手当の有無、③賞与の有無、④相談窓口、を付け加えなければなりません。併せて、雇用管理の改善措置の内容についても説明しなければなりません。

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育児・介護休業

使用者は、期間の定めのない労働契約で働く労働者や、有期労働契約で1年以上継続して雇用している(1年以上継続して雇用することが見込まれる)労働者が会社に申し出た場合、原則として子が1歳に達するまで、最長で子が2歳に達するまで、育児休業を認めなければなりません。
使用者は、要介護状態にある家族の介護のために、期間の定めのない労働契約で働く労働者や、有期労働契約で1年以上継続して雇用している(1年以上継続して雇用することが見込まれる)労働者が会社に申し出た場合、3回を上限として通算93日まで、介護休業を認めなければなりません。

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