日本の人口は、2008年に人口1億2808万人を数えたのをピークに以降年々減少しています。しかもこの減少は、若年者層に顕著であり、高齢者層は増加するという、特異な現象です。総人口の内、満16歳から64歳までの人口を生産年齢人口と言いますが、実は生産年齢人口は日本の総人口がピークを迎えるそのさらに10年以上も前の1996年にピークを迎え以降減少に転じています。
今日、慢性的な人手不足が叫ばれていますが、今後日本の総人口は減少の一途をたどり、生産年齢人口はそれ以上の割合で減少していくことが人口統計上明からです。そうすると、使用者としてはこれまでと同じような感覚で、人材を採用しようにも、そもそも人がいない状態では採用できないということになりますし、上手く人を採用できたとしても、賃金等の労働条件が他社に比べて劣っていたり、ちょっとでも杜撰な労務管理で労働者に不利益が発生する状態が継続するようだと、労働者はすぐに会社から離れていくことでしょう。

使用者として勘違いしてはいけないことは、労働者の賃金などの労働条件を良くすれば、労働者のエンゲージメントが向上するのかというと、必ずしもそうではないということです。会社の成長のためには労働者のエンゲージメントレベルの向上は正の相関関係にあることが知られています。そうすると労働者のエンゲージメントを向上させるにはどうしたらよいか、このことを検討し実行することにより会社の成長を実現することができるといえます。

労働者のエンゲージメントの向上を図るためには、労働者に仕事を通じて良質な成長体験を与えることと、その仕事に対する適切な評価をすることが挙げられます。

労働者に対する成長体験は、マネージャーによる適切なフィードバックが求められます。現在アメリカの大企業で導入が進みつつある1on1ミーティングを導入するなどにより、労働者とマネージャーのコミュニケーションと適切なフィードバックを図る必要があるのではないでしょうか。

人事評価についても、これまでの評価制度や方法が今後も通用するのか、再検討する必要があります。同一労働同一賃金が事業主に義務付けられ労働者の多様な働き方が進んでいる中、今後の賃金制度は職能給的要素から職務給的要素がより重みを増すのではないでしょうか。そういった中で、労働者をランクに当てはめて評価する方法が労働者のエンゲージメント向上の点から今後も最善の評価方法かどうかについては、検討してみる必要があるのではないでしょうか。

他方、ICTといった情報通信技術、AIといった人工知能、IoTといったモノのインターネット、これらの科学技術は年々累乗の加速度を以て進歩しています。これらの科学技術の向上が、そう遠くない将来、特にルーティンワークの部分について人間の労働から機械やロボットへその役割が移行し企業に省力化とコスト削減をもたらす可能性があります。

日本では、ヨーロッパ諸国やアメリカなどの国々と比べて労働者の労働生産性が低いことが問題となっています。そこで政府は、労働生産性の向上や労働力不足の解消を図る目的で、働き方改革の名の下、労働基準法を始めとする労働関係法の改正を目論んでいます。しかしながらこれら労働関係法令の改正は、使用者からすると、適法に労働条件管理を行うことを難しくし、かつ労働者雇用に対する費用を増大させる方向に働くのではないかとの疑念を生じます。

こういった社会経済情勢を念頭に置くと、これまでの人事政策で今後も事業経営を維持し発展させることができるのか疑問です。

労働生産性を向上させる方法としては、①費用を削減する、②高付加価値の商品やサービスを市場に提供する、この二つです。

労働生産性を向上させる最善の方法は、付加価値に対する労働投入量を相対的に減らすことです。
デジタル技術の進歩が著しい今日、これまで人手に頼らざるを得なかった業務が、ロボティクスで代替できるようになってきています。RPA(ロボティック プロセス オートメーション)やAIロボットなどのデジタル機器の導入はできないでしょうか。
仮に人手に頼らざるを得ない業務であっても、その人手を労働者と労働契約を結ぶことによって実現しなければならないのかという点も、検討する必要があります。例えば営業業務であれば、フルコミッションで、業務委託契約(準委任契約)を締結することはできないでしょうか?

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