就業規則の行方

こんにちは
特定社会保険労務士のおくむらです。

今日は、労働基準監督署に提出された就業規則の行方についてお話しします。

使用者は、常時10に以上の労働者を雇入れる事業場では、就業規則を作成して、労働者がいつでも就業規則を見ることができるように周知するとともに、管轄する労働基準監督署に、事業場の過半数労働者の代表か事業場の過半数労働者で組織された労働組合の意見を付して、届け出なければなりません。使用者は、就業規則を変更した場合にも同様に管轄労働基準監督署に届け出なければなりません。

監督署の窓口で、就業規則の届け出を受けるとき、相談員は、変更届と過半数労働者の代表等の意見書、就業規則やその委任規則または就業規則の変更の場合は規定等の変更前と後の比較ができる対象表が揃っているかをチェックします。

このとき、就業規則の内容まではチェックしていません。ときどき、労働者からの労働相談で、社長が「うちの就業規則は監督署のチェックを受けた大丈夫だ」などと言っているという話を聴きますが、監督署で就業規則の中身などチェックなどしていません。

そもそも就業規則は、そこに記載された労働条件が公序良俗に反するようなものでない限り、労働契約の内容となる、いわゆる約款のようなものであり、私人間の契約内容に行政機関が口をはさむことなどできません。

また、行政手続きという観点からも、就業規則の届け出は、法律に基づく行政への通知のための書類の届け出ですから、その内容がどうであれ、行政機関が受け取りを拒むことはできません。

とはいうものの、私の場合は、新規に作成された就業規則については、一応記載内容にザーッと目を通すようにしています。その中で特に私が注意して見る個所は、労働時間・休憩・休日に関する規定、賃金の計算方法や支払いに関する規定、退職・解雇に関する規定、育児・介護休業に関する規程辺りです。

以前、私が課制署で相談員をしていた時、本店が東京にある会社がこちらに新たに営業所を出したとかで、そこの担当者が就業規則の新規提出に窓口に訪れました。

私が、提出された就業規則をパラパラとめくっていくと、賃金規定に「賃金については賃金規程に定める」といった趣旨の記載がありました。そこで、私は賃金規程を確認してみようとしたのですが、本則以外に賃金規程などは添付されていませんでした。

私は窓口に訪れた担当者に、「就業規則の賃金に関する規定には、賃金規程に定める、といった記載になっているので必ず賃金規程があるはずです。本社に確認してください。このままだと、就業規則に必ず記載しないしなければならない賃金に関する事項が記載されていないことになります。」と話しました。担当者は就業規則の提出を見合わせて、就業規則を提出せずに持ち帰りました。

後日、その担当者が就業規則を提出するために、再び、監督署の窓口に訪れました。驚いたことに、このときは就業規則の本則だけではなく、賃金規程やその他の規程などもたくさん持参していました。私は「本則よりも規程の方が多いじゃん」と思いつつ受付印を押しました。

さて、事業場から提出された就業規則はどうなるのでしょうか?

答えは、監督署の書庫にて保管される、です。

就業規則が事業場から提出されると、提出日等をパソコンでデータに残して、提出されたもののすべてを書庫で保管します。保管期間は提出されてから5年間です。

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