個別労働関係紛争解決制度-あっせん制度-

こんにちは
特定社会保険労務士のおくむらです。

前回は、個別労働関係紛争解決制度として、個別労働関係紛争解決促進法に基づく、助言制度についてお話ししました。

あっせんとは

今回は、個別労働関係紛争解決促進法に基づく、もう一本の紛争解決制度の柱である、あっせん制度についてお話しします。
あっせん制度は、労使間のトラブルで、和解により解決を図るべき民事紛争について、当事者間の直接的な話し合いでは解決に至らないときに、当事者のどちらか一方あるいは双方が、労働局に対して、紛争解決のためのあっせんを申請することにより、あっせん手続が開始され、あっせん期日にあっせん員が紛争の当事者の双方から事情を聴き、あっせん員が双方の歩み寄りにより和解可能と判断したときは、あっせん案を提示するなどの方法により、紛争の当事者双方の意見を調整し、和解により解決を図る制度です。

実は、あっせん制度は個別労働関係紛争解決促進法に基づくほかに、裁判外紛争解決法(ADR促進法とも言われたりします)=正式名称を「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」に基づくあっせん制度もあります。両者の最大の違いは、前者が、各都道府県労働局が行政サービスとして行う紛争解決に係る法律であるのに対して、後者は民間が行う紛争解決制度に係る法律であるということです。

あっせんを利用する立場の人からすると、労働局が行うあっせんと民間が行うあっせんの最大の違いは、料金の有無ではないでしょうか。労働局のあっせんは行政サービスの一環ですので、あっせんを申請するときもあっせんによって紛争が解決したときも、料金は発生しません。対して、民間のあっせんは、通常、あっせんを申立てるときに料金の支払いを要します。加えて、あっせんにより紛争が解決した場合、あっせんの当事者双方が解決内容に応じて一定割合の追加の料金の支払いを求められる場合があります。

社労士会のあっせん

民間のあっせん制度のうち、個別労働関係紛争の解決に特化したあっせんを行っているのは、主に各都道府県社会保険労務士会です。社労士会労働紛争解決センター○○という名称であっせんを行っています。○○には各都道府県名が入ります。社労士会のあっせんも、申立てをするときに申立て手数料ということで料金の支払いが必要になりますが、紛争が解決した場合の追加の料金負担はありません。申立て手数料は各社労士会により異なります。社労士会労働紛争解決センター福岡の場合、申立て手数料は1,000円+消費税です。他の社労士会労働紛争解決センターの申立て手数料は、東京や神奈川、愛知、岡山などが3,000円+消費税となっています。また、北海道や宮城、大阪、兵庫、広島などのいくつかの社労士会労働紛争解決センターでは当面申立て手数料を無料としています。

特定社労士

社労士には、さらに特定社労士という社労士に上乗せの国家資格があります。特定社労士は、個別労働関係紛争に係る裁判外のあっせん等の紛争解決制度の手続きにおいて、業として紛争の当事者を代理して紛争の相手方と直接交渉をすることが認められた資格す。通常、業として当事者を代理して相手方と交渉を行えるのは、弁護士のみです。業として、というのは商売としてという意味です。

特定社労士が紛争の当事者の代理人となることができるほぼ唯一の制度が、あっせんです。
ところが、あっせんでも、労働局のあっせんであれば、請求金額に関わりなくどういった内容であっても、当事者の代理人になることができるのですが、社労士会などが主催している民間のあっせんの場合、請求金額が120万円を超える個別労働関係紛争では、特定社労士単独で、代理人になることができず、弁護士との共同受任でなければなりません。なぜ、こんなヘンな上限があるのか、私には理不尽にしか思えませんが、現状法令でそのようになっています。

まぁ、しかしあっせん手続中だけですが、代理人として相手と直接交渉できるのは、特定冥利に尽きるところがあります。

次回以降は、あっせんに少し踏み込んでお話しします。

 

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