総合労働相談員として受ける相談と社労士として受ける相談の目的の違い

こんにちは
特定社会保険労務士のおくむらです。

今日は、総合労働相談員として受ける相談と社労士として受ける相談の目的の違いについて、お話しをしたいと思います。

総合労働相談員としての相談対応

総合労働相談員としての相談対応は、法令や手続きに関する問合せであればそれぞれ、「こうなっています」「こうしたらいいですよ」といった回答になります。そうではなく、こうこうこういったことで困っている、という相談であれば、どこにどういった法律違反等の問題があるか、これに対してどういった解決方法があるのか、という点を中心に考えて、回答をします。

例えば、賃金不払いであれば、労基法違反の疑いがあるから、先ずは会社の社長などに賃金の支払いを請求して、使用者が請求に応じないときは監督署に申告することにより、監督官が事業場を調査して、法違反の事実が確認されれば、監督官が会社の社長らに対して、不払い分の賃金を遡及して支払うようにと指導しますよ、とアドバイスします。また、裁判所に民事訴訟を起こすとか、労働審判を申立てるなどの方法により解決を図ることもできますよ、とアドバイスすることもあります。

総合労働相談員として相談を受けるときは、相談者の利益につながるように法的な点および解決方法などについてアドバイスをしますが、あくまでそれは相談者自身が判断をして解決を図るために参考となることを”教示”することが目的となります。

社労士としての相談対応

これに対して社労士としての相談対応は、誤解を恐れずに言えば、依頼者の利益を最大にすることにより私自身の利益を最大にするための相談対応ということになります。依頼者が労働者であれば、事業主から受け取る利益を最大にすることであり、依頼者が事業主であれば会社のコストを最小限に抑えることです。もちろんこれは法という規範に照らして認められる範囲内でということは当然のことですが・・・

そうすると、社労士としての相談対応は、極論すると利益最大化(費用最小化)に資するために法的に有意味な事実を可能な限り証拠により客観的に確認する作業ということになります。これは労使トラブル解決に限ったことではありませんが。

ここで注意しなければならないことは、事実関係の確認のためとはいえ、相談対応が相談者に対する尋問になってはいけないということです。これは総合労働相談員としての相談対応であると社労士としての相談対応であるとを問いません。相談対応の技法についてはまた別の機会にお話しします。

さて、民事紛争の解決とは、究極的には、実体法上の権利の存否を確定させることです。そして実体法上の権利の存否の判断方法は、法律が規定する「こういう事実があればこういう効果が発生する」というときのその事実(=要件事実)の有無を判断(=認定)する方法によります。

確認できた事実を前提に、あとはどういった請求(または請求に対する回答=答弁)をどういった手段方法により行い、落としどころをどこに設けるか、どういった主張をするか、どういった証拠をどういった主張にくっつけて出すか、ということになります。この辺りは民事訴訟の処分権主義とか弁論主義といった大原則に関わることで大切なことです。この辺りは別の機会にお話ししたいと思います。

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